分離した選択の編集とエクスポート
選択を分離機能を利用すると、現在の選択範囲以外のすべてのオブジェクトを非表示にすることができます。 これは、複数のオブジェクトがあるシーンでオブジェクトを編集したり、レイヤーの深さが異なる別々のオブジェクトグループをレンダリングする場合に特に便利です。
選択を分離の利点は以下のとおりです:
- 視覚的に邪魔されることなく、ひとつのオブジェクトの編集に集中できます。
- 選択されていないオブジェクトを表示するためのシステム消費を削減します。
- 分離された選択は、オブジェクトグループごとに画像シーケンスやビデオにエクスポートすることができます。
Anton Bakhmat によって作られたシーンを例に、選択を分離することによって CTA の編集や分離されたオブジェクトグループのエクスポートが容易になり、素早いポストプロダクションに役立つ様子をご紹介します。
選択を分離をオンにすると、不要なオブジェクトを除外し、1つまたは複数の選択オブジェクトのみを表示することができます。
- フロント、ミドル、バックといったレイヤーの深さが異なる、複数のオブジェクトを持ったプロジェクトを作成します。

- シーンマネージャーでオブジェクトを一つ選択します。
この例では、岩陰に隠れたスタンバイ Monster(ihmsp 作成)です。

- 一般ツールバーの選択を分離ボタンをクリックするか、ホットキー I を押して「選択分離」をオンにします。

- 選択を分離
が有効になると、選択されたオブジェクトを除く全てのオブジェクトが隠されます。

- 別のオブジェクトを選択するか、複数のオブジェクトを選択すると、対象のオブジェクトがビューポートに表示されます。
選択を分離機能は、先ほどのボタンをもう一度クリックするかホットキー I を再度押すことでいつでも無効にすることができます。

- 選択を分離をオンにして、オブジェクトを移動・回転・拡大縮小したり、モーションキーを調整したりしつつ、
選択を分離をオフにして、周辺のオブジェクトとの相関をチェックすることができます。


選択を分離をオンで選択したオブジェクトを編集。
選択を分離をオフでオブジェクトの関係性を確認。
選択を分離することによって、同じレイヤー深度のオブジェクトをグループ化し、それらを 1つの合成オブジェクトにエクスポートして、高速なビデオモンタージュに使用することができます。
- シーンマネージャーで、同一レイヤー深度の複数オブジェクトを選択します。
このケースでは Man (WTH animation 制作) と、前面のシーン要素です。

- レンダ設定パネルを開きます。
エクスポートするメディアの種類とフォーマットを選択します。(この場合は MOV)
透過ビデオのオプションを有効にして、透明度用のアルファチャンネル付きでエクスポートできるようにします。

- 出力サイズと出力範囲を決め、エクスポートをクリックします。
選択されたオブジェクトは、透明な背景を持つ 1つのフルシーン MOV ビデオとしてレンダリングされます。
- 別のレイヤー深度にあるオブジェクト群を選択し、ステップ 2 から 3 を繰り返して、背景オブジェクト(シーン要素)用の MOV ビデオと、真ん中のオブジェクト(Monster)用の MOV ビデオを書き出します。

- これで異なるレイヤーのオブジェクトビデオをビデオエディタにインポートして、ビジュアルを強化することができます。

ビデオエディタを使えば、異なるレイヤーの別々のオブジェクトグループのビジュアルを簡単に管理、変換、強化できます。
| オリジナルの CTA アニメーションシーン。 | レイヤーエフェクトで強化。(Adobe Premiere) |
- ビデオエディタ、例えば Adobe Premiere を起動します。
異なるレイヤーのオブジェクトグループをドラッグして入れます。

- オブジェクトグループを、CTA アニメーションにならってレイヤー順にタイムラインにドラッグします。
これで、オブジェクトグループにレイヤーエフェクトを追加できます。

ブラー効果をかけることでリアルさを増すことができます。
- 背景のレイヤートラックを選択します。
- Effects パネルの検索フィールドにキーワード blur と入力します。
Gaussian Blur をダブルクリックします。

- Effect Controls パネルで、レイヤーにインサートされたエフェクトを確認します。
ブラーの強度を調整します。

異なるブラー効果を開始/終了フレームに適用することによって、「モーションブラー」を得ることができます。
- Monster のレイヤートラックを選択します。
- Effects パネルの検索フィールドにキーワード blur と入力します。
Gaussian Blur をダブルクリックします。

- Effect Controls パネルで、レイヤーにインサートされたエフェクトを確認します。
Monster のジャンプと落下のタイムフレームに、異なるブラー強度を設定します。

オブジェクトの色は、コンポジションに馴染むように変更することができます。
- House のレイヤートラックを選択します。
- Effects パネルの検索フィールドにキーワード RGB と入力します。
RGB Curves をダブルクリックします。

- Effect Controls パネルで、レイヤーにインサートされたエフェクトを確認します。
カーブをドラッグしてレイヤーの色を調整します。

